【Info.】認知症発症リスクは、2型糖尿病発症時の年齢が若いほど上昇か

 2型糖尿病の発症年齢と認知症のリスクとの関連が報告された。高齢になってから糖尿病を発症した人よりも、若い時期に糖尿病を発症した人は認知症リスクが高いという。 

 糖尿病患者は認知症の発症リスクが高いことが知られている。ただし、糖尿病の発症年齢との関連は、これまで明らかになっていない。

 Amidei氏らの研究は、英国で1万95人の参加者(1985~1988年の登録時に35~55歳、男性67.3%)を、2019年3月31日まで追跡。追跡期間31.7年の間に、1,710人の2型糖尿病発症、639人の認知症発症が記録されていた。

 非糖尿病者の70歳時点での認知症発症率は、1,000人/年当たり8.9人だった。それに対し、2型糖尿病を過去5年以内に発症した人は、1,000人/年当たり10.0人、過去6~10年に発症した人は13.0人、10年以上前に発症した人は18.3人だった。

 70歳の非糖尿病者に比較して、2型糖尿病を10年以上前に発症した人の認知症発症はHR2.12(95%信頼区間1.50~3.00)であり、有意にハイリスクだった。また、過去6~10年に発症した人はHR1.49(同0.95~2.32)、過去5年以内に発症した人はHR1.11(同0.70~1.76)で、2型糖尿病の発症時期が早いほど認知症のリスクが高いという関連が認められた(傾向性P<0.001)。

 認知症発症リスクに関連する臨床検査値、社会人口学的因子、健康関連行動を調整した解析では、2型糖尿病の発症年齢が5歳低いごとに、70歳時点での認知症発症ハザード比が1.24(同1.06~1.46)と、有意に上昇するという関連が明らかになった。

 著者らは、「追跡期間が中央値31.7年に及ぶこの縦断的コホート研究により、糖尿病発症時の年齢が若いほど、人生の後半での認知症発症リスクが有意に高くなることが示された」と結論をまとめている。

(Journal of the American Medical Association(JAMA)HealthDay News 2021年4月28日)

ああ

 つまり、特に若い時からの運動習慣と食生活が何よりも大事であることをさらに証明されたわけです。

ご自身の生活習慣を見直しながら、ご家族、お子様、お孫様の健康もそういった目線で関わっていただけますと、将来の安心材料が増えるかもしれませんね。

続きを見る

【Info.】新型コロナウイルス変異株を無力化する中和抗体を10日間で作成する技術 京大・広島大研究グループが開発!

 橋口隆生 ウイルス・再生医科学研究所教授、保田朋波流 広島大学教授、下岡清美 同助教、坂口剛正 同教授、岡田賢 同教授、溝口洋子 同助教、横崎恭之 同教授、西道教尚 同助教らの研究グループは、庄原赤十字病院および県立広島病院と共同で、複数種類の新型コロナウイルス変異株に結合してウイルスを無力化する完全ヒト抗体を10日間で人工的に作り出す技術を新たに開発しました。

 ウイルスに結合して無力化する抗体は中和抗体と呼ばれ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の特効薬として期待されています。新型コロナウイルス感染者の血液からウイルスに結合する抗体遺伝子をとりだして人工的に抗体を作り出す同様の技術はこれまでにも報告されていますが、高い中和活性のある抗体を取得するには多数の血液検体から候補となる抗体を作成し選び出すために時間と労力を要しました。

 本研究グループは目的とする抗体を保有する患者の特徴を明らかにし、作業工程を工夫することで、数名の患者から高性能な中和抗体を10日間で取得できるようになりました。またこれまで複数のウイルス変異株を無力化する中和抗体を作成する技術は確立されていませんでしたが、今回の技術を用いることで脅威となっている多重変異株にも結合する中和抗体を取得することに国内で初めて成功しました。

 これらの抗体は新型コロナウイルス感染症の治療薬として開発が見込めるとともに、今後新たな変異ウイルスが出現した場合においても迅速に中和抗体医薬をつくりだせるようになり、感染者の死亡率低下や感染の封じ込めにつながることが期待されます。 (2021/5/14 京大HP 最新研究成果より )

 新型コロナウイルスとの戦いも終盤戦というところなのでしょうか!?

これからのさらなる研究報告が楽しみです。

続きを見る